ただの映画日記

備忘録として映画の感想文を書いているだけ。

「ゴールデンカムイ」感想

2024.01.19 初回鑑賞

久保茂昭監督/日本/2024年

 

 朝一の回で観てきました。金曜にもかかわらず結構朝から動員多くてびっくりした。大学生ぐらいの子たちとおば様層が多かったように思う。金カムはアニメ履修済み、漫画はノータッチ。劇場で何度か予告を観た以外ではほとんど前情報なしでの鑑賞になりました。主演が山崎賢人で脚本が黒岩勉となるとマジでキングダム色満載になるだろうなと思ったけど、本当にキングダム色満載でした。特に冒頭とエンディング。何度もおまけをやるスタイルはMCUか何かに影響されているのだろうか。エンディングのグラフィックもすごく最近のマーベルっぽかったしな。

 第一印象としては、金カムのファンに向けたプレゼントのような作品だなと思った。そのぐらいファンを喜ばせる魅力に詰まった映画でした。公開日初日の朝の時点でヤフー映画の評価が☆4.5だったのでそういうことでしょう。初日から観に行くようなヲタクたちはこぞって高評価つけるだろうなという出来栄えでした。

 

 脚本よりも演技よりもビジュアルよりも演出よりも、まず何よりも音楽に圧倒された映画でした(個人的感想)。画的にはIMAXで観るほどじゃないと思ったけど、音楽は良い音響設備であればあるほど聴きごたえがある素晴らしさでした。戦争、大自然、そして各キャラクターの印象をとてもよく引き出していた。ストーリーの中でも特別な存在感のある「アイヌ」のところだけガラリと曲調が変わる演出が神秘的で…でも本当に欲を言うならば少しだけ唐突感がありすぎたから、もう少し他の音楽のメロディとかを引き継いだりして雰囲気を寄せたらもっと良かった(というか私好みだった)と思いました。でも本当に音楽美しかったなー。フルオーケストラを使った迫力と大自然になじむ美しいメロディとアクションに鋭さを補完する機能的なパーカッションと。そしてかなり映画全編にわたって満遍なく音楽が付けられていたところがポイント高かったです。

 

 次、脚本。黒岩さんは本当に上手いです。どこぞのハガレン実写とかは彼を見習ってくれよ。漫画でいえば本当に触りのところだけをやって終わる潔さ。原作のストーリーに完全に沿いながらも取捨選択がされて初心者にもわかりやすく、きちんと話が繋がっている点が秀逸です。漫画アニメの実写化ってたいてい取捨選択せずに詰め込みすぎてわけ分からんみたいなことになりかねないからね…まあ本作も原作ミリしらの人からしたら、次々キャラクターが出てくる分少しついていくのは大変だったかもしれないけど、最低杉本とアシリパさんと鶴見中尉と白石と土方ぐらい分かればストーリーとしては成り立つからね。人が短時間で一度に認識できる人数って子供で5人、大人でも7人までらしいから、主要な人物がその人数内に収まってることが大事だと思うんだ。

 物語としては完全な原作沿いだったので、原作が面白ければ当然面白いんだけど、金カムの面白さって主軸となる金塊をめぐる争いやら駆け引きやら陰謀だけじゃなくて、ギャグの部分にもあると思うんだよね。漫画のようにギャグシーンであの可笑しな表情を描くことはできないし、ましてやアシリパさんは実際より大人な役作りだからそこをどう補完するかって難しかったとおもうんだよなー。実際原作よりはネタシーンかなり少なかったと思うけど、だからこそここぞというところに唐突に挟むことによって面白さが増してたような気がしました。

 

 演技はみんな良かった。山崎賢人はさすがの役作りだったし、鶴見中尉とか白石、双子も良かった。尾形があんまり尾形オーラを出してなかったけど、まあまだ出番少なかったしな…あとはみんなが一番注目していて、ある意味不安にも思っていたアシリパさんも頑張ってました。子役を採用していない分タッパがありすぎたり顔が大人っぽすぎたりすることに最初は違和感あったんだけど、2時間も観てたら全然慣れたし、むしろ全然アシリパさんだわって思いました。強いて言えば弓の引き方に違和感があったけど、アイヌの人はああいう引き方をするのかな?是枝監督の怪物とか、少しずつ日本でも子役を全面的に採用するケースは増えてきていると思うけどまだまだ少ないからね…約ネバが最たる悪い例だったと思うけど…今回は悪いほうに傾かなくて本当に良かったです。ていうかむしろ今は山田杏奈のアシリパしか勝たん。

 演出に関しては、撮影は力が入っていてよかったけど(特に光の使い方!)、CG特に熊や狼はやっぱりハリウッドに比べるとまだまだリアリティが足りないなとは思った。でもハリウッド映画を観慣れていない人にとっては気にならないであろうレベル。ちゃんとお金かかってたみたいでよかったです。杉本に覆いかぶさった時のヒグマの人形の質感がぷよぷよしてたのが本当に惜しいなーと思った。そういう細かいところ詰めたらもっともっとクオリティ上がると思うけど…(←誰目線だよ)あとはアスペクト比がなー…個人的にはやっぱりシアターで見るなら横長が良くて、横が黒帯になっちゃってるのもったいないなって思うけど…

 冒頭の日露戦争のシーンはプライベートライアンを想起しました。さすがにあそこまでリアルな生々しさはなかったけど、かなりグロテスクではあった。まあ金カム全体的に過激描写多いけど…PG12だけど絶対高校生ぐらいになってから見たほうがいいと思います(笑)

 

 あとはラストですね、キロランケとかインカラマッとか谷垣(は途中少し出てきたけど)などの今後のストーリーにかかわる人物が次々映って、次回作やる気満々のエンディングでしたね。まあ今作評判良さそうだし間違いなくやるでしょう。また同じ製作陣でお願いします。