ただの映画日記

備忘録として映画の感想文を書いているだけ。

「劇場版 PSYCHO-PASS / PROVIDENCE」感想

2023.05.12 初回鑑賞

塩谷直義監督/日本/2023年

 

 楽しみにしてました。面白かった!アニメのシーズン2と3の間を埋める内容で、あの隙間を散々妄想していたファンたちとしてはたまらない内容だったのではないだろうか。ってか隣の席のオバハンがずっと一人で感想言いながら観てて死ぬほどイライラしたんだけど。

 

 これは個人の感想だけど、PSYCHO-PASSの面白さは世界観とストーリーにあると思う。作画は好きだけど、映画館の大スクリーンで観るほどではない。街並みとか廃墟っぽい風景とかAI、飛行船なんかは細かくて綺麗だったけど、画面が引き伸ばされたことによってシンプルな場面では無機質感と間延び感が否めないな。キャラクターの動きやアクションものっぺりしてるし。アクションシーンはもう少しカメラワークで誤魔化してほしい。一方で須郷さんのジェット機アクションのカメラワークはスピード感があって凄く良かった。

 

 AIが人の心理状態を計測し、犯した罪に関わらず人は議論することもなく全てを数値に委ねて裁くことは、果たして法治国家の正しい在り方なのかっていうシリーズ通して一貫したテーマに様々な事件を通して向き合う厚生省を観て、視聴者側も本当に色々考えさせられる物語だと思う。特にAIがいよいよ本格的に活躍し始めた今の時代には。シーズン1がもう10年以上前だなんて信じられない、本当に色褪せない世界観とストーリーです。

 最後には公の場で局長を撃ってシビュラシステムが計測するPSYCHO-PASS脆弱性を自ら国民に知らしめた朱ちゃん。自分の犯罪係数が100を超えないと信じてたんだろう。もうほとんど免罪体質じゃん。

 雑賀先生は死んじゃうし、作戦に参加した執行官たちは外務省に移動だし。「変わらないほうが不自然」っていうクニっちの言葉が最後にあって良かった。

 

 それにしても、この映画半分以上は音響とドミネーターが持ってったね。音楽も含め、音響はほんとに良かった。むしろ映画館で観るとしたらそこにこそ価値があると思う。菅野祐悟の音楽はほんとに良い。ドミネーターも最高。毎回試作品要請してくれる美佳ちゃんマジ女神(?)

 後方支援隊の、志恩さんとクニっちが隣同士で座って雛川が後ろのソファに追いやられてて美佳ちゃんはもはや立たされてるの笑った。そんな六唐が大好きだ。美佳ちゃんも大好きだ。まあ役割的にもあの位置だったんだろうけど。またスーツポニテ姿のクニっちが見られて嬉しかったです。

 

 OPは良かったけどEDはあんまりPSYCHO-PASSっぽくなかったな…オシャレ過ぎるというか普通すぎるというか。狂気さがなくて残念。やっぱりEGOISTは名前のない怪物が至高。