ただの映画日記

備忘録として映画の感想文を書いているだけ。

「リトル・マーメイド」感想

2023.06.09 初回鑑賞

ジェーン・ゴールドマン&デヴィッド・マギー監督/アメリカ/2023年

 

 ずっと楽しみにしてたので公開日朝一のIMAXで観てきました。いやー、めちゃくちゃ良かった!!ほんとに感動しました。ストーリーにっていうより、音楽と映像美に圧倒された感じ。自分の中ではアラジン実写が至高だったのでそれを超えることはないかなと思ってたけど、アラジンとは全然違う質感の感動だった。

 

 自分はディズニーが好きというわけでもないし原作なんてもちろん知らなくて、音楽だけは昔吹奏楽で演奏したりyoutubeで聴いたりして数曲知っていた程度なので、原作を踏まえてどうだったかってことは分からないけど、とにかくあらゆる面から美しかった。美しい音楽、美しい歌声、美しい映像、美しいメッセージ、美しいキャラクターたち。欲を言えばセバスチャンとフランダーはもう少し可愛げがあってもよかったかな(笑)

 初めのアリエルをカメラが追いかけながら海の世界を巡るシーンでまず感動して、そのあとのUnder The Seaの圧倒的な見せ場。一番有名な曲なだけあって映像にもものすごい力入ってて、楽しい音楽のはずなのになぜか泣けた。圧倒的に美しいものを見ると自然と涙が出てくる現象。アースラのPoor Unfortunate Soulsも良かった。で、個人的に好きだったのがセバスチャン、フランダー、スカットルのKiss The Girl。程よくコミカルで楽しかった。

 主演のハリー・ベイリーは本当に歌が上手くて、最後の海を見つめる横顔なんかは本当に綺麗で…海のやんちゃなお嬢様が少しだけ成長したって感じでよかったなあ。スカットルのラップは実写版オリジナルだったんだろうか??原作をよく知らないからどれがオリジナルソングでどれが原作にも登場する曲だったのかが分からなかった(笑)

 最後のトリトン王の「私が寂しくなるだけだ」っていうセリフでめちゃ泣きました。あーあ、結局海の王といっても、子供が愛しい一人の父親なんだなあと。

 

 アラジンでは「女も一人の人間だ、声を上げよう」っていうメッセージが前面に出ている感じだったけど、リトルマーメイドは「みんな違ってみんないい、互いの文化や価値観を認め合っていこう」っていうメッセージだったように思う。海の世界は美しくて住みやすくて皆仲良く歌ってとても良いところだし、一方で人間の世界でも歌や踊りを楽しんでいて港ではいろんなおいしい食べ物や綺麗な洋服に出会えて沢山のおもしろい発明品もある。どっちも良さがあるけど、よく知らない世界のことは怖く見えて誤解を生むこともある。それぞれの世界にだっていろんな人間や生き物がいて、みんなが違う考えを持っている。アリエルとエリックの結婚がお互いもっと知って認め合って尊重し合うきっかけになればいい。そんなメッセージを感じ取りました。

 ストーリーはあまり気にせず観てたけど、後になって思えば結局アースラは何が望みだったんだろう?そこがよく分からないまま倒されちゃって少し寂しい感じ。人間になったアースラが高笑いする姿まで美しくて、ビジュアル的にもいい悪役だっただけにもっと裏側も知りたくなった。

 

 ディズニー映画、ホントにお金もかかってるしクリエイターたちの血と汗と涙の結晶だなって思った。この前誰かが「ディズニーは万人に夢を与えるんだ」って言ってたけど、むしろ夢を与えられたってよりは、この世界にはきれいなものがたくさんあるんだなってことを思い出させてくれたという感じだな。あくまで映画の中のファンタジーだけど、現実世界だって捨てたもんじゃないじゃんっていうのをわざわざ実写にすることで観客に訴えてる感じがあるよね。それでこそ芸術だよな。

 

 

 最後に、自分はディズニー原作全く知らないしディズニーにも特別興味があるわけじゃないから気にならなかったけど、ポリコレ問題今もかなり色々言われてますね。それについては以下の動画で自分はすべて納得した。素敵な議論だなと思いました。

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