ただの映画日記

備忘録として映画の感想文を書いているだけ。

「ジョン・ウィック:コンセクエンス」感想

2023.09.22 初回鑑賞

チャド・スタエルスキ監督/アメリカ/2023年

 

 前3作未鑑賞でストーリーはよく分らんぬでしたが…ドニー・イェンドニー・イェンが凄く良かった。ローグワン然り、彼は盲目役が好きなんだろうか?

 アクションものなので1作完結系なのかなと思っていたけどシリーズ通しで繋がってる話みたいですね。なので理解できない部分が多くストーリーの観点ではあまり面白味を感じなかったけど(特に序盤は冗長に感じた)、とにかくアクションが見応えあった。こういうのをアクション映画って言うんだろうなーと。特に間取りを上からの構図で映したワンカットの銃撃戦が視覚的にもすごく面白く、全編で統一感のあるEDM調の音楽に銃声の低音がマッチしていて音響面でも聴きごたえがありました。あと清々しいぐらいのトンデモ日本。大阪にはあまり行ったことがないので、実際にああいった場所があるのか、あのネオンっぽいライティングは合成なのか実物なのかは良くわからなかったけど、ハリウッドが日本を撮るとどうしてこうも違って見えるのだろうか。同じ大阪をロケにしても、邦画だったら絶対にああはならない。ライティング、カメラワーク、音楽?あのギラギラ感はどこから来るんだろうか(笑)やっぱりCGをかなり使ってるのかな?そして現代の武装と銃に対抗する刀、弓、手裏剣、力士は日本という国をどこまでも本質的に少し頭の悪い国に見せていてなんか好きだ。保守的で昔のものを手放せない性質がいかにも日本って感じで。サムライの国だからね、いいんだよそれで。

 

 今作のみで見たストーリーの印象としては、やっぱり殺し屋の世界というだけあって身も蓋もないなという感じ。世界各地に配置されたコンティネンタルという拠点?を持つ組織と何らかの因縁を持つらしいキアヌ…じゃなくてジョン・ウィックを、組織に従うドニー・イェン…じゃなくてケインが追って、さらに懸賞金狙いの殺し屋たちが追って、という1対多数の構図。コンティネンタルに属するケインや真田広之演じるシマヅはジョン・ウィックの元友人らしい。最後は友人同士の一騎打ちになるジョン・ウィックとケイン。特に誰が得するわけでもなく何を生み出すわけでもなく…というのが殺し屋らしい。

 

 大阪とパリで繰り広げられる盛大な銃撃戦は何も考えずに観られる爽快さで、特に凱旋門前のロータリーでは周りを走る車のスピード感とその車たちの間をウロチョロする殺し屋たちの構図が面白く、街中でどんだけぶっ放してんだよっていう非現実感すらも忘れさせてくれる。最後の協会へ続く階段でのアクションではヨレヨレのジョン・ウィックがなんか似合うキアヌ・リーヴスキアヌ・リーブスって歩き方とか走り方ちょっと独特だよね。あれはわざとなのか?トム・クルーズ的ないかにも速そうな走り方はしない。

 まあでもやっぱり個人的に今回のMVPはドニー・イェンでした。4作通して観てないからジョン・ウィックへの思い入れが特にないってのもあるけど、ドニー・イェンの動きの切れはいつ観ても別格。イップマンを観ればそりゃあそうだよなってなるけど、アメリカンな動きだけじゃなくマーシャルアーツ由来の体感の良さがあのキレッキレなアクションを生み出してるんだろう。あとリナ・サワヤマが演じるアキラも個人的に好きだった。硬派なキャラクター作りで、くノ一的な印象。カッコいい。最後はケインを殺して復讐を遂げたんだろうか?

 

 あとギルドっぽい深夜ラジオでブラウン管のモニターに緑の文字が映っていたのはやっぱりマトリックスのオマージュだったのかな?