2023.02.21 初回鑑賞
立川譲監督/日本/2023年
とても良かったです。音がね、本当に良かった。映画館サイトの評価が4.5だったからどんなにいい映画なんだろうと思ったけど、あれだけの音浴びたら普通に勢いで星5つけます。ストーリーや作画も普通に良かったけど。
ストーリーとしては、世界一のジャズサックス奏者を目指す主人公宮本大の純粋なサクセスストーリー。彼が世界に出る前に、東京で出会ったピアニストのゆきのりと大に影響されて初心者からドラムを初めた玉田とバンドを組んで日本一のステージであるSoBlueを目指す。所々、紆余曲折もあるけど基本的にはスルッと順調に進む。ゆきのりや大のそこに至るまでの努力はちゃんとカットとして入ってるけど、まあプレイヤー4年目の大や1年半の玉田に至っては化け物レベルの才能だよね(笑)
とまあ上手く行き過ぎている辺りはサクセスストーリーなのでご愛嬌。それよりも演奏がほんっっとうに良かった。サックスとピアノとドラムだけで、物凄い迫力と深み。目を瞑って聴いたら目の前にステージがあるよう。流石ドルビー。
ジャズって決して分かりやすい音楽じゃないから、正直素人が聴いても上手い下手は分からない。でも複雑なメロディの中に熱量のようなものが込められてるのは分かって、胸を打たれました。ああ、これが音楽なんだなあ…みたいな。マジかっけえな、みたいな。「新しいとか古いとか、ジャンルなんて関係ない」と言った大の言葉がすごく響いた。音楽って、勝負じゃないし商売でもないし。もちろんそれを生業にするからには流行りとかジェネラルな人気要素を気にしなければいけないけど、演奏するときだけは自分の音楽を。カッコ良かったなあ。ジャズ人気も増すかもね…
映像の演出は全体的に黒バス的な大げささがあった。或いはピアノの森。はっきり言ってカッコよくはないけど、演奏がそれを上回るカッコよさだったので良し。カメラワークとかカット割りは凝っていてカッコ良かった。
ピアノの森と言えば、事故で腕を怪我したゆきのが阿字野先生みたいだなと思った。先に一人だけSoBlueで演奏したことも、玉田のインタビュー中の最後のステージ云々も、初めに片手だけで演奏していたゆきのりも踏み台云々も、事故への伏線だったのかなあ。
ジャズ演奏以外の音楽も良かったです。あと、アニメ映画って何でスクリーンの幅をフルで使わんの?