ただの映画日記

備忘録として映画の感想文を書いているだけ。

「ダウンサイズ」感想

2023.01.14 初回鑑賞

アレクサンダー・ペイン監督/アメリカ/2017年

 

 展開がクレイジー(笑)

前半は面白かった。医療施設で髪の毛や入れ歯をすべて除去して電子レンジでチンする要領で小さくなる被験者たち。最終的には人類全員が小さくなることを目指すんだろうけど、先んじて小さくなった人々は用意されたモデルルームのような街で豪勢な暮らし。

 温暖化で破滅寸前の地球で科学者たちが人間収縮技術を発明するっていう発想はありそうなんだけど、小さくなった人間の新しい目線での生活を面白可笑しく描くのかなと思ったら、ガチでノアの方舟方向に進むとは。最初の妻と別れたくだりは何だったのさ?主人公が、贅沢な生活に憧れて収縮処置を受けてから、偶然活動家に出会い最終的に環境保全に目覚めるまでの流れが雑すぎて完全に置いていかれた感(笑)「やっと何かを成し遂げられる」「君が何より大事」のセリフに何の説得力もないので感動も何もなくて目が点。しかも結局地下ドーム行かねーのかよ(笑)着地点が最後まで分かんなくて何を伝えたいのかもちょっと良く分からなかったです。

 ってか人が13センチなら蝶はもっとデカくね?

 

 まあ脚本がイマイチだったのは置いといて、病院での処置の描写がなかなかに細かくて面白かった。電子レンジで小さくされた人間をヘラで拾い上げるナースたち…生々しいな(笑) 

 あと全体的にしっかり音楽が着いていたのが良かった。個人的には研究所や病院のシーンの音楽が奇妙さを助長していて好きだった。

 

 それにしても、冒頭の人間を小さくする技術の発表に疑問一つ抱かず拍手喝采する講義室のお偉方(?)にゾッとしました。地球環境がそこまで切羽詰まった状況が人々をそうさせてるんだろうけど、もし実際に50年後気温が上がりすぎて人類絶滅ですとか言われたら何も考えずに原発に頼るしかなくなるのと同じようなものなんだろうな。