ただの映画日記

備忘録として映画の感想文を書いているだけ。

「ジュラシック・ワールド / 新たなる支配者」感想

2022.07.29 TOHOシネマズ仙台 初回鑑賞

2022.07.31 TOHOシネマズ仙台 2回目鑑賞

コリン・トレボロウ監督/アメリカ/2022年

 

 とりあえず初見の感想をば(駄文)…土日にもう一回観に行けたら書き足すかも。

 

 率直な感想を言えば、とても面白かったがジュラシック・ワールドらしさは少なかったかなという印象。尺の割には恐竜の登場シーンが少なかったのと、物語全体が恐竜よりも人間社会に焦点が当たっていて少し恐竜のイメージが薄れてしまった。

 このシリーズってストーリーや伝えたいテーマが単純明快だからこそ恐竜の恐ろしさや強さ、それを作り出した人間の好奇心や欲深さが真っすぐに伝わる作品だと思ってるんだけど、今作は少しストーリーを練りすぎた感じがあったと思う。これがジュラシックワールドでなければ今時のSFアクションサスペンス系の映画としてとても良くできているし映像や音楽も申し分ない。ただジュラシックワールドのファンとして公開日を楽しみにしてきたので、少し予想外だった部分もあった。あれ、007観に来たんだっけ?みたいな。"Dominion"というタイトルからも恐竜が人間に代わって新たに生態系の頂点に君臨したために人類の危機なのかなと思ったけど、結局人類を危険にさらしたのはイナゴっていうのも、かなり斜め上の方向行ったな感。

 ただ、「ジュラシックパーク」やワールドの1作目なんかは島が舞台だったから我々がそれに観慣れているだけで、炎の王国から今作にかけて物語の舞台は孤島から人々の住む世界へと広がっているので、なんとなくジュラシックシリーズらしからぬ雰囲気を感じたのは当然と言えば当然かもしれない。

 

 ストーリーとしては、「異常なサイズのイナゴの大量発生による農作物被害」と「世界中に散らばった恐竜たちの保護と密売」が2本立ての軸となって進んでいったようで少し右往左往しているように見えたが、根本としてそれらは人間が遺伝子操作技術により創り上げたものであり、ジュラ紀白亜紀に生息していた恐竜や昆虫を現代に生き返らせた結果人間の手に負えない事態になってしまったという点で繋がっている。そしてそれらどちらにも関わっているのがバイオシン社。人類が制御しきれない技術を使ってきたことによって、それが自分たちの首を絞めるということ。そして生物はいつでも生きていく道を見つけるのだということ。(Life will find a way.) 人は何度でも同じ過ちを繰り返し、しかしかならず新たな技術によってまた道を切り開いていく。恐竜のテーマパークを開園するというという小さなきっかけから世界が大きく様変わりしていく様子をシリーズ全体を通してしっかり伝えていたのはこのシリーズの素晴らしいところだ。

 しかしイナゴは少しわかりにくかったな。メイジーの母が自らの疾患変異を取り除いた遺伝子を使って自分の子供のクローンを作ったという事実から、その技術を使えば世界中の遺伝性疾患を持つ人がその子供を疾患から救う手段を得るっていう方向性で進めてもよかったはずなのに、わざわざ遠回しに巨大イナゴを絶滅させるための研究につなげたのはなんか謎。技術を扱いきれていない例なら恐竜だけで十分ではあったんだけどね。でもイナゴのパニックはいろんな場面でインパクトあったから良かったのかな。グラント博士とサトラー博士の登場のきっかけにもなったし。

 

 白亜紀のイナゴが大量発生している一方で、その主犯であるバイオシン社は恐竜を保護下に置きそれらの研究もしていた。今までには出てこなかった陸上最大の肉食獣ギガノトサウルスも作り出し、攫われたメイジーを救い出すためにバイオシンの研究所へ向かったオーウェン一行は恐竜の保護施設内で追い回されることになる。

 イナゴについて証拠を得ようとバイオシン社にもぐりこんだグラント&サトラー博士はそこで講師をしていたマルコム博士に出会い彼の助けで無事遺伝子サンプルを手に入れるものの途中でバレて地下の古い炭鉱に放り出される羽目に。その炭鉱での恐竜チェイスが一番ハラハラしたな。だって逃げ道なかったもの。偶然車で通りかかってくれたマルコム博士ありがとう…

 全員の向かった先が一緒だったおかげでオーウェンとクレア、メイジー、グラント博士、サトラー博士、マルコム博士が大集合。そしてオーウェンたちを飛行機で連れてきたケイラも。レジェンドたちや全員集合のシーンでいちいちジュラシックパークのテーマを流してくれるなよ…感動するじゃないか…とにかく今作のメインはパークとワールドのキャラクター集結だったと思うんですよ。マルコム博士が対ギガノトサウルスのシーンで犠牲になっちゃうのかと思ったけど無事逃げ切ってホッとしたぜ…

 

 恐竜たちのシーンで見ごたえがあったのは、馬に乗って恐竜たちと雪山を駆けるシーン、予告にもあったオーウェンのバイクチェイスのシーン、そしてラストのティラノvsギガノトサウルスのシーン。バイクチェイスのスピード感、半端なかった。屋根を飛び移りながら恐竜から逃げ切ったクレアのアクションも見事。あの街の人々がその後大丈夫だったか気になるけど。

 ラストのティラノサウルス登場のシーンで、リングのオブジェにティラノのシルエットが重なってジュラシックワールドのロゴになったのが演出としてエモかったです。正直あのリングのオブジェが出てきた瞬間、最後ここでロゴ再現するんだろうなあ…って予想はついたけど。期待を裏切らずかっこいい演出だった。

 

 ワールドのシリーズ全体として、人間が恐竜に恐怖し逃げ回る構成になってはいるものの、決して恐竜を「悪役」にしないというのが一貫していて、それがこのシリーズの良さの一つである。人間が恐竜から逃げ回る羽目になっているのは自業自得であるし。まあインドミナス・レックスやインドラプトル、ギガノトサウルス等々毎回Tレックスに倒される存在がいるわけだけどそれは恐竜の恐ろしさを強調するための役どころであって、一方で恐竜の存在に感動し、死に嘆く対象としてはアパトサウルストリケラトプスをはじめとした草食獣が置かれているわけだが。恐竜は人間の手で生み出されてただ地球上を生きているだけ、歩いているだけなのだというのが今作では特に明瞭だったような気がする。

 

 映像や音楽も全体的に良かったんだけど、やはり恐竜の印象的なシーンが少なかったのが本当に残念。始まりももう少し緊張感やインパクトが欲しかったなあ。ただぶっちゃけレジェンドの博士3人がめちゃくちゃ良くて胸アツだったので少しぐらい期待外れでも全然満足してしまったなあ。サムニールこの年になってもかっこいいし、なんか表情から再びジュラシックシリーズに出演した嬉しさみたいなのがひしひしと伝わってきてこっちまで嬉しくなりました。髪型と髭のおかげでかなり印象が柔らかかった気がする。あとジェフ・ゴールドブラムはスタイル良すぎだよ。

 キャストに関しては一切文句なしのメンバーでしたね。ちらっと出てきたジアもかわいかったし、ディーチェン・ラックマンは綺麗だったけどジャーイーンにしか見えませんでした…

 

 あとは最後オーウェンがブルーと別れるシーンがものすごく感動しました。あとブライスダラスハワードまじラブ最高。以上。書き散らかし。

 

 2回目をIMAX3Dで観て来た。最前列を取ったら自分以外の人は皆真ん中より後ろの列にいてすごく嫌われている人みたいになってしまった…(笑)

 IMAX3Dものすごく良かったです。Dolbyで観たときとガラッと印象変わった。やっぱりIMAXの迫力は格別だった。逆にこれ家でDVDとかではもう観れないかもしれない。

 最前列だったからか音楽や恐竜の足音の振動がガッツリ伝わってきたし普通に恐竜飛び出してきたよね。臨場感が半端なかったです。1回目では割とストーリーを追うのに必死で他まで意識が回らなかったんだけど、音楽が凄く良かった。耳なじみのあるテーマだけじゃなくて、恐竜に追いかけられながらバイクで突っ走るシーンとかグラント&サトラー博士が恐竜の保護施設に降り立ったところとか。音楽なかったら間違いなく疾走感3分の1ぐらいだったと思う。