ただの映画日記

備忘録として映画の感想文を書いているだけ。

「マイ・インターン」感想

2022.07.29 初回鑑賞

ナンシー・マイヤーズ監督/アメリカ/2015年

 

 劇場でジュラシック・ワールドを観てきた後に何となく余韻に浸りたくなってもう一本家で観たんだけど、あまりに温度差がありすぎた(笑)

 

 アパレル系の会社をたった一人で立ち上げ今や200人以上の社員と優秀な売り上げを誇る企業に成長させた社長ジュールズだが、忙しすぎて仕事・プライベートともにうまくいかないことが増えてきている様子。そんな時今世間ではやりの高齢者インターンで採用した70歳のベンと出会う。ベンは人気のアパレル業界とは無縁の人物で、運悪く(?)ジュールズの直属の配属となったために仕事もスムーズに回してもらえずさらにはPCやスマホなどの機器にも疎く、初めは新しい職場に馴染めずと惑っていたが、長い人生経験と優しくて面倒見のいい人柄ですぐに社内の人気者になり、ジュールズも彼にだんだんと心を開いていくようになる…というほんわか系感動ストーリー。コメディ要素もあり。ってか社内を自転車で移動してるのワロタ。

 主演のロバート・デ・ニーロの表情が優しくて切なくもあり、とても心に響く演技だったし、アン・ハサウェイのツンとしてるけど健気に頑張ってる女社長もすごく感情移入できた。ジュールズもベンのおかげで会社でのふるまいや家族との向き合い方を見直してとても成長できた一方で、ベン自身も若い社長や社員に囲まれた刺激を受けたりフィオナと出会ったりして、決して引きこもっていたわけではないものの本当の意味で死別した妻と別れ前に進むことができたのではないかと思う。

 

 ところでハリウッド映画って、日常を描いたようなジャンルでもなんでこんなにオシャレになるんだろうか。外国の見慣れない街並みだからオシャレに見えるっていうのはあるんだろうけど、良く見ているとやっぱりカット一つ一つがハイセンスでテンポよくてオシャレさを引き出してるんだろうな。ようは人を追っていないストーリーには直接関係ないカットがかなり入っていて、そういうのが映画全体のテンポ感とかモダンな感じを引き出してる。例えば初めの公園でヨガをしている人たちを映したり、会社内のフロアでパソコンに向かう人たちをいろんな角度から映したり、巨大なビルを映したり。それらのカットで登場人物の会話や派手な動きがあるわけではないからストーリーが進んでいるわけではないんだけど、そんなシーンが混ざることで止まったり進んだりとテンポを自由に操れるしメリハリがついていいんだろう。こういう表現方法をぜひ日本の映画でもたくさん取り入れてみたらいいと思う。