ただの映画日記

備忘録として映画の感想文を書いているだけ。

「アバター / ウェイ・オブ・ウォーター」感想

2022.12.16 TOHOシネマズ仙台 初回鑑賞

2022.12.28 TOHOシネマズ新宿 2回目

ジェームズ・キャメロン監督/アメリカ/2022年

 

 とにかく映像美、そして長尺。3時間半は今まで観た映画の中でも最長…(笑)映像にスピード感があってダラダタ長い感じではなかったけど、流石にもう少し短くならなかっただろうか…大作って言っても長けりゃいいってもんじゃないよ。と思ったけど、平和な部分を削ってしまったら良さが半減だろうなあ。

 1作目は初めて見る青い先住民たちとパンドラの神秘的な世界でワクワク感が満載だったけど、2作目もそれに劣らず新しい景色に沢山出会わせてくれた。その一方でキャラクターたちはかなり1作目から引き継がれていて、ストーリーとしても1作目を観ていないと世界観が少し分かりにくいかなという作り。まあ地球以外の惑星に侵略していく系の話ってそれなりにあるから難しくはないと思うけど。

 冒頭にも書いた通り本作の見どころはとにかく大迫力の映像美、そして音響。これはIMAXで観ないともったいないかな。ところで今日観た回、IMAX3Dに加えてHFRとかいう規格だったらしくさらに追加料金加算で一回観るのに2500円もかかったんだが…?こんなんじゃホントに日本の映画館誰も来なくなるぞ。

 

 本作は1作目から十年後ぐらいのパンドラが舞台で、サリーとネイティリは家族を築いていた。しかしパンドラはいよいよ地球からの”スカイ・ピープル”により侵略されようとしていて、それに加え前作の最後にサリーとネイティリに倒されたクオリッチ大佐は記憶をアバターに移し復讐のためにサリーたちを探していた。それに気づいたサリーの家族は自分たちの家であった森を離れ、身を隠すために離島で暮らす海の種族を頼る。海での暮らしは森でのものとは全く異なり、サリーたちの家族は初めは苦労するも徐々に海の種族に溶け込んでいく。しかしサリーたちが離島へ行ったことがクオリッチにばれてしまい、クオリッチはパンドラの海で漁をして荒稼ぎしていた船に乗っかりサリーたちをおびき出すために離党にする村々を襲撃し始めるのだった…

 

 今作は家族愛と自然の壮大さの2本の軸をメインに描かれていた。サリーの家族はサリーとネイティリの息子のネテヤム、ロアク、トゥク、養子のキリ、そしてスパイダーの5人の子供たちで構成されている。ネテヤムは優秀な長男だが次男のロアクのやんちゃに手を焼いている。キリはなんと前作で死んだオーガスティン博士の娘で父親は不明、スパイダーはクオリッチ大佐の息子で母親は不明。二人ともナヴィの種族だけでなく家族ともどこか異なることに思春期らしく葛藤している。でも”サリーは団結”という父のサリーの教えを元にいざというときはいつでも助け合える家族。兄弟姉妹全員のキャラクターがちゃんと立っていて3時間もあるから全員しっかり覚えられた。

 海の種族と海の生き物たちの繋がりも、地球人とは違って彼らが全部の生態系の一部として暮らしている感じが垣間見えて心温まった。エイワを中心にすべての生き物が支えあい交信できることが美しいパンドラをパンドラたらしめている所以なんだなって。

 

 で、海の映像ね。ほんっっっとうに綺麗だった。3時間どっぷり蒼に浸った感じ。パンドラの独特で美しい生き物たちと豊かな自然の魅力を十二分に引き出す色彩とカメラワーク。まるで一緒に海の中を泳いでいるような気分。3Dで観たので時々弾丸とか矢とか虫がこっちに飛んできたけど(笑)物語がシンプルで普遍的なメッセージだからこそ映像にしっかり集中できていいよね。最後の光る小さい魚の群れみたいなのが沈没船の中を照らして光の筋となり家族がその筋の集まるところで集合していくのが凄く幻想的で良かった。ナヴィの動きや表情、瞳も綺麗だったしどのシーンを切り取っても一枚の絵として完成してる感じがあった。

 音楽もすごく良かったです。最後に流れた主題歌も好みだったし(パーカッションの音が特に心地よかった!!)、広大な世界観をさらに広げているようでとても良かった。森の中で子供たちをとらえたクオリッチ一行を陰から狙うサリーのシーンで環境音に溶け込むようにさりげなく入ってくる音楽、個人的にああいうのとても好み。この前のブラックパンサーにもそういうのあったけど。

 主題歌の特にボーカルにかかるリバーブとバックのダイナミックな演奏が映画館規模に合ってて良かった。ワンピース思い出したけど、例えば今の日本のpopsみたいなのをそのまま映画館のスピーカーで流すと迫力なく聴こえちゃう。映画館に合わせるなら音源のテイストをどんなものにするかちゃんと考えるべきだなっ改めて思った。

 

 最後に、ネテヤムがここで死んでしまうのは意外だったなあ。そしてキリはエイワと何か特別なつながりがあるようだったけど明かされていないということは次作を期待していいのだろうか?あとはスパイダーとクオリッチの関係がなんか良かったです。クオリッチも人間らしいところがあるなんだかんだ憎めないキャラに落ち着いてた。

 

 予告の内容になるけど、来年はミッションインポッシブルにインディージョーンズにリトルマーメイドとまた楽しみな大作が盛りだくさんだねえ。