ただの映画日記

備忘録として映画の感想文を書いているだけ。

「ロード・オブ・ザ・リング / 王の帰還」感想

2022.11.04 TOHOシネマズ仙台 初回鑑賞

ピーター・ジャクソン監督/アメリカ/2003年

 

 感無量でした。もうね、音・音・音。とにかく音の効果が凄い。客席まで瓦礫降ってくるわナズグル飛び回ってるわ一緒に馬で突撃しちゃうわで…これを臨場感と呼ぶんだなと。あ、そういえば自分今映画館にいるんだった、みたいな。これだからIMAXは…

 

 それはそうと長かったです、3時間20分。面白かったからと言って一瞬で過ぎたということはない。長かった。家で観るときは途中で止めてトイレ行ったりできるけど、映画館だとトイレ行きづらいし。ただ、観客を3時間椅子に縛り付けて一秒たりとも退屈する隙を与えないスピード感とテンポの良さ、そしてすべてのシーンが目を離すのが勿体ないぐらいに作りこまれていて、血と汗と涙と時間とお金の結晶だなと思った。40分×5本ぐらいのドラマに分かれていたとしても、一気見したい構成。指輪を破壊してからの後日譚にかなり尺を使ったなという印象ですね。観ている方としても、怒涛の指輪作戦が終わり気持ちを整理するのにちょうどいい。

 1作目から終始一貫したストーリーで軸にぶれがなく非常に追いやすいのがこのシリーズの人気たる所以だろうなと思う。起承転結がしっかりしている王道だし裏切らないハッピーエンドだし。最後フロドが身を投げてしまうかと焦ったけど、ゴラムだけで良かった(笑)

 大まかな話は子供でもついていける簡単なものである一方、仲間や種族同士のやり取りや関係性、各国の王や王子のキャラクターがしっかり立っていて、さらに映像のリアリティもあって高校生や大人でもしっかり楽しめる。ファンタジーって下手をすればなんか稚拙だな、で終わってしまうので、やっぱり大作は違うなとまざまざと見せつけられた感じだ。キャスティングのおかげもデカい。ビジュアル全員キャラクターにハマり過ぎな上名演技だから本物っぽさがすごい。特にホビットの面々のホビット感。

 

 1作目の段階ではこの話は指輪を拾ったフロドの運命を描く話なんだ、と単純に解釈していたけど、たぶんこの作品は中つ国に根付く各々の種族の強さ・弱さ、多様さをそのままに描く作品なんだなと3作目の狼煙のシーン観て思った。(狼煙を世界中につないでいくシーンまじで良かった。)

 最終的に指輪を拾ってそれを壊すためにモルドールの火山を上ったのはホビットの二人だけど、彼らのため敵対していた国同士が手を結び、弱いものが勇気を出し、立場を忘れて戦った。いろんな力をもつ種族がいて皆違うものを守るために戦っているけど、向いている方向が同じなら指輪みたいな強い魔力にだって立ち向かえる。そんなメッセージが込められているといいなと思う。

 ハリポタのロン然り、本作のサム然り、主人公の隣にいる人物ってあらゆる側面から超重要な役割を担ってると思う。主人公はいつも特別で、生まれながらに才能を持っていたり重い運命を背負っていたりと、我々には理解しにくい立場にいるけど、その主人公の隣にいるロンやサムは凡人でいざとなれば勇気があって、たまに主人公を羨んだりするけど誰よりも主人公のことを助けたいと願っている人物。そういうファンタジーな世界に住んでいても少し自分たちと似通ったところがある登場人物がいるから我々は彼を通してその世界のことを理解できるし感情移入できる。サムかっこいいよ。そして幸せになってくれて良かった。

 

 ファンタジーらしい不透明さも残してくれて良かったと思う。結局ガンダルフの立場とか何って感じだし、最後のエルフと船に乗って旅立つフロドもどこ行くのって感じだった。黄泉の国?なのかな?もしかしたら小説には書いてあるのかもしれないけど、そういうところをいちいち突っ込んでいきたいような映画でもなかったし。ハリポタの時はハマったのがそういう年頃だったからめちゃくちゃ考察とかしたけど(笑)

 あとは最後指輪が壊れた時にアラゴルン率いる軍のいる地面の直前でがけ崩れが止まったり、幽霊強すぎだったりする都合の良さがもはや気にならない映像の迫力でした。まあ何度も言うけどファンタジーだし。

 ゴラムが救われない役どころで悲しかったですね。スメアゴルとして主人公を助けたりして終わるかなと思ったけど、悪に堕ちたまま最期を迎えてしまった。

 

 関係ないけど、ブラックパンサーの予告ヤバすぎました。予告の時点で音楽が良すぎる。一作目同様の迫力を本編でも期待しています。