ただの映画日記

備忘録として映画の感想文を書いているだけ。

「ロード・オブ・ザ・リング / 二つの塔」感想

2022/10/31 初回鑑賞

ピーター・ジャクソン監督/アメリカ/2002年

 

 二作目のタイトルの二つの塔っていうのが結局どの塔のことなのか分かりませんでした(笑)

 まあそれはいいとして、完全に前作の続きから始まったので一作目を見ていないとさっぱりな内容。いきなり映画館に三作目を観に行くような真似をしなくて良かった。個人的にはTVドラマでなく映画なら一作ごとに観ても話が分かるような内容の方が好みだけど、ロードオブザリングは一本一本が超長くてもはやそれぞれ三部ぐらいに分けた方がいいんじゃないかって思えるようなドラマ的な構成なので、個人的には映画というよりは長編ドラマみたいな感覚で観ている。ストーリーが分かりやすいのでこれだけ長くてもついていけるけど、これで複雑な話だったらだいぶキツそう。その場合は45分づつぐらいに分けてゆっくり観たい。

 2作目はいろいろな種族(国?)が登場し主人公たちの行方に絡んでくる上に、フロド一行・アラルゴン一行・ピピン一行の3視点を行き来するが、主軸としてはモルドールに立てこもり各方面に軍隊を放つサルマンを迎え撃ち、全方位からモルドールを陥落させるために立ち上がる人々、そして指輪を破壊するためにモルドールに潜入を試みるフロドという構図になっているので観やすい。

 冒頭はいきなり1作目のガンダルフの死ぬ場面から始まる。まああの時点でガンダルフそのうち復活するだろとは誰もが思っているだろうけど、なかなかにファンタジーな復活の仕方だった。落ちたけど何とか生き延びたとかではなく、一度死んで第二の生を得るみたいな。一作目のシーンの使いまわしをしていたのが、日を置かずに鑑賞した身としては少し残念というか、カットぐらいは変えてほしかったというか。まあ1年越しに観ればそこまで詳細は覚えてないだろうから問題ないけど。

 

 細かい部分はさておき、ロードオブザリングの戦闘シーンは本当に大規模で見ごたえがあると思った。特に避難先の城でのローハン軍とモルドール軍の戦い。この頃のCG技術ってそれほど精巧ってわけではない気がするけど、それを感じさせない迫力。夜で画面全体が薄暗かったというのと数で圧倒したという点が大きかったと思う。なだれ込んぬおびただしい数のモルドール軍は、一瞥しただけで絶望的だ。そしてこの展開にどうオチをつけるのかなと思っていたら明け方に登場のガンダルフ。そういえば、ってなった。明け方東の方向からっていう超意味深なセリフだったのに、そこからの展開が目まぐるしくてすっかりそんな伏線のことは頭から抜け落ちていた。まあ製作側もそれを狙っているんだろうけど。2作目はとにかくこのローハン軍の戦いのシーンが印象深く、むしろフロドたちを追うのが2の次になってしまった気がする。やっぱり長編映画では最も迫力のある絵面が印象に残りやすいもの。

 

 また、2作目では特に印象深かったキャラクターが3人。ゴラム、エント(しゃべる木)、そしてギムリ

 ゴラムは主人公の心象を鏡映しにするようなキャラクターであったと思う。ハリーポッターで言ったら死の秘宝でハリーがアバダを受けた時に頭の中のキングズクロスの駅で観たヴォルデモートの魂みたいな役割ではないかと。見た目は僕妖精に似ているけど。ゴラムは指輪の被害者で元はスメアゴルという種族(?)のただのいいひと。しかし指輪に支配された人格であるゴラムが脳内でスメアゴルの邪魔をするため、フロドとサムは彼の扱いに悩まされることになる。ゴラムにどう接するか、というところに主人公たちの性格や経験が深く関係してくる。

 エントは2作目のファンタジー要素を一気に加速させた登場人物(?)だ。ハリポタで言ったら暴れ柳。動物以外の植物や物がしゃべったり意思を持っていたり、というのはファンタジー特有の世界観で、ある意味世界観を色濃くするのに必須の登場人物であったのではないかと思う。

 そしてギムリは2作目の戦い通しで重くなりがちな雰囲気にいつも明るくポップな雰囲気を足してくれるので、アクセントになってとてもいい。のっぺりしない。アラルゴン、レゴラスギムリの組み合わせが凄くバランスが良いんだよな。見た目的にも、性格的にも。

 

 2作目も1作目同様、音楽がとても良かった。これだけ長い作品に終始音楽をつけるって、凄い労力だよな。