ただの映画日記

備忘録として映画の感想文を書いているだけ。

「マイティ・ソー / ダーク・ワールド」感想

2022.07.10 

アラン・テイラー監督/アメリカ/2013年

 

 2作目を観た記憶が全くなかったのだが…一度は観たはずなんだけどなあ。

 

 それにしてもダーク・ワールド、1作目に比べて圧倒的に面白い。キャラクターストーリー云々というより、惑星直列や重力異常みたいなSF的な設定、演出と、バトルシーンでのコミカルさが最高にアメコミらしくて楽しめた。重力の異常により一直線に並んだ9つの世界をポンポンワープしながら戦う面白さと言ったら!氷の巨人の世界のモンスターとか勝手に巻き込まれてるし(笑)ダーシーと助手はキスしながらワープしてるし(笑)本来だったらラストスパートでシリアスな戦いになるところを笑いどころ満載に描いてくれたのは、原作がコミックであるというのをとても生かしていてよかった。マーベルがだんだんとコメディ要素を強調してきたのはこの辺りからだったのかな?

 

 ストーリーをちゃんと追おうとすると、かなり無理やり感もあるしすっ飛ばした展開だったのかなとは思う。ジェーンがエーテルを見つける時点で、一般人と宇宙規模の世界観にかなりギャップがありまくりだったし。あんなエネルギーの塊みたいなものを地球人が吸い込んで大丈夫なのかなとか、地球人がほかの世界に行ったら空気とか大丈夫なのかなとか、いろいろ思うところはあったけれども。

 でもこのシリーズはどちらかというとヒーローとヴィランの戦いとかソーとジェーンの恋とかよりも、王家の跡取りとしてのソーが父や母、弟とどう向き合っていくか的な、アスガルド王家のファミリーストーリーが主軸になっているような気がする。1作目でただの戦い好きの男から多様な在り方を認められるヒーローへと成長したソーが父親に歯向かう様子や、だれにも認めてもらえず地球で暴れまわったロキが母の死を受けて憔悴する様子など、家族仲に深く触れていたと思う。ロキはいつも同じ手ばっかり使うところや、ついつい兄に喧嘩を吹っ掛けたくなってしまうところがまだまだ子供っぽいよね。でも精一杯賢く取り繕っている様子がまた憎めないというか。トム・ヒドルストンは表情の作り方が本当に絶妙で、ロキの雰囲気を本当に上手く表現していると思う。

 

 グリニッジ天文台を宇宙船がぶっ壊すシーンのCG凄かったな。