ただの映画日記

備忘録として映画の感想文を書いているだけ。

「天気の子」感想

22.11.12 初回鑑賞

新海誠監督/日本/2019年

 

 序盤にも音楽をくれ!音楽をくれーー!!って感じ。冒頭マックでハンバーガー食べるまでほぼ音楽なしは自然の音を強調するにしてもさすがに単調すぎる…挿入歌とは別に雨のモチーフや晴れのモチーフ的なメロディが欲しいんだよな。ここぞというところだけじゃなくてさりげなくモチーフを各所で多用することでストーリーのキーポイントを印象付けらるのに。新海誠の作品って本題に入るまでの導入がかなり長いから、そこでもしっかり音楽を使って緩急をつけたらもっと好み。でも全体的に君の名はよりは良かった。

 街の描写が本当に細かくてびっくり。池袋や歌舞伎町の街並みはもちろんのこと西武新宿駅前のマックの店内の壁紙まで現実そっくりに再現。実写映画じゃなくわざわざアニメでここまで忠実に再現する必要性に、何かメッセージ的なものが含まれているんだろうか。SNSの描写も多いし。世界観はまるっきり現実なのに設定はSFともファンタジーとも言い難いぶっ飛び設定なのがちぐはぐで、普通アニメなら世界観から丸ごと現実とは離してしまうのに、そうじゃないのが新海誠らしさというかこの作品が他の作品と一味違うといった特徴なんだろう。

 

 ストーリー重視な映画だろうからそこに沢山触れることにするけど、個人的にテーマは君の名はより好みだ。少し設定多過な感じはするけど。「100パーセントの晴れ女」という特別な力を持つから警察に追われるのではなく未成年の一人暮らしだから追われる、家出していて捜索届が出ている、妻を亡くして娘の引き取りを望んでいるとか…あと銃を拾ったとか。いちいち気にすれば1本の映画にしては少しゴチャゴチャしすぎ感はあった。でも「天気」に関してだけとりあえず注目していれば全然混乱せずに観れる。前半の晴れてほしい人の依頼を受けて異常気象で雨続きの東京をめぐり天気を晴れにしていく過程で天気に気持ちが動かされたり大事な時に晴れていることの喜びだったりはすごく共感できるので観ていて嬉しい気持ちになった。それにフリーマーケットで晴れを祈る3人がかわいかった。

 後半は人にめちゃくちゃ迷惑かけまくる少年ほたか氏でさすがに共感できなかったかな。マジで道行く大人たちに迷惑かけてて笑った。一方なぎくんの脱出劇は大人顔負け。バイク逃走するところのカメラワークが良かった。魚に飲まれて空の上の国に行くところから急にファンタジーで・・・?ってなった。今まで超現実的な街の描写だったのに突然のジブリみたいな。からの地球。いや、規模ww

 雨続きの異常気象が温暖化のせいとかかと思ってたらもっとファンタジーな感じの理由だった。天気の巫女(?)が人柱として消えれば元通りになるっていう展開。ちょっと人魚姫風。っていうか君の名はの時も思ったけど、起承転結の転までがめちゃくちゃ長くて、転からが駆け足急展開。

 

 あとこの監督の作品って恋愛要素がガッツリ日本のオタク文化っぽい。中学生ぐらいの頃に観ればそういう部分も楽しめたのかなと思う。ってかポテチをチャーハンに入れるやつ自分もやってみようかな。おいしそう。