2022.10.15 初回鑑賞
ジェフリー・ナックマノフ監督/アメリカ/2018年
良くも悪くもフツーだなという印象。2018年の映画にしては目新しい内容でもないし、全体的に絵面がエージェントオブシールドのシーズン4。そして全く共感できない倫理観無茶苦茶な天才主人公…最近のSF映画ってCGがあるから観ていられる、みたいな作品がたまにあって、これだけ世に映像作品が出回ってるからマンネリ化してきた感が否めない。時々テネットみたいな突拍子もない作品が出てくるから面白いんだけど。
設定としてはヒトの脳の神経細胞のつながりが明らかにされて電気回路的にデータとして保存できるようになった近未来。キアヌ・リーヴス演じる主人公はその技術に携わる科学者だが、ある日家族と車で旅行に出かける際に事故に遭い妻と子供3人を亡くす。培養ポッドで作ったクローンの体に亡くなった彼女らの脳からコピーした人格データを移して実質家族を蘇らせようと、会社から高額な実験器具を盗み出し自宅で実験を始める…
最近大学院の授業で生命倫理の講座を受けたばかりの身としては、なんかタイムリーな話題だなと(笑)それにしてもマッドなサイエンティストのやりそうなことを悪気なくやりだすものだから、この主人公は人として大丈夫なのだろうかと、いや、大丈夫じゃないなと、観ている間中呆れていた。特にポッドが3つしか用意できなかったため一人は体をつくることができず、くじ引きで誰を蘇らせないか決めるシーン。人の命をくじ引きで左右するな。おまけにその一人の記憶を他の家族3人の頭の中から消してしまう残酷さ。3人生き返らせるためなら一人をこの世から消し去ってもいいというヤベェ価値観。生き返った3人も、組織や国に追われて危ない目に合うばかりなのがかわいそう。
ご都合展開はこの際良いとしても、こんな誰にも共感できない映画は久しぶりかもしれない。自分がそういう技術を持っていて同じ目に遭ったら同じことをするだろうかと考えたけど、いや、しませんね。ってか最後ゾーイまで生き返らせるんだったら殺されてしまった同僚も生き返らせてやれや(笑)
4年前の映画なだけあってCGはさすがのクオリティ。ポットの中で出来上がっていくクローン人間とか科学者が操るホログラムとか。ああいう近未来的な技術は見ているだけでワクワクするので好きだ。音楽はあまり印象には残らなかったけど、家でベッドに眠る完成した(?)妻を映すシーンで流れた音楽がなぜかSHERLOCKを彷彿とさせた。