ただの映画日記

備忘録として映画の感想文を書いているだけ。

「シェフ / 三ツ星フードトラック始めました」感想

2022.10.11

ジョン・ファブロー監督/アメリカ/2014年

 

 パラサイト観た後に、何となく夢見が悪くなりそうだったのでほんわか系ストーリーを…と思って鑑賞。公開当初観たはずだけど、あんまりちゃんと覚えてなかった。

 ツイッターの使い方を良く知らないオジサンが個人宛メッセージだと思って過激なことを書いて炎上…なんか一昔前のあるあるな感じする(笑)そんな人あんまり見たこともないけど。

 

 一流シェフとして人気を誇る主人公のカール・キャスパーだが、勤めていたレストランにやってきた批評家に出したメニューをこき下ろされてしまう。決して料理の腕が落ちたわけではなくレストランのオーナーにオリジナルではなく定番のメニューを出せと言われそれに従ったことが敗因ではあるがレビューをネット上で拡散されてしまってからではなすすべもなく評判はガタ落ち。キレて店で暴れ回った動画をさらにネットにさらされてしまい行くあてのなくなったカールは、元妻の宛てを頼りにフードトラックを始めることに。プロのシェフとしてのプライドをなかなか捨てきれなかったカールはフードトラックで仕事をするのをためらっていたが、レストランも首になり元妻に焚きつけられたこともあって乗り気になり、フードトラックでアメリカ中の都市をめぐるうちにその楽しさに気づく。

 まあストーリーとしてはイイ話だなあ、で終わるんだけど、この映画を観るとね、普段料理をめんどくさがってる私でもつい夜な夜なソテー、もとい野菜炒めでも作ってみようかなという気になる。あの華麗な包丁さばきとおいしそうな料理の数々を見せられては、真似してみたくなるというもの。もちろんできるわけはないけど。

 こういうハートフルドラマってあんまり深く考えず観たいけど、欲を言えばサブタイトルにも「フードトラック」とあるのだから、前半のツイッター炎上大喧嘩の下りを短くしてフードトラックで各地を回るところをもっとメインで観たかったなあという印象。

 

 登場人物たちのそれぞれの料理への思いが熱く描かれているところがこの映画の良いところ。カールはもちろん、同僚のマーティンやトニー、スカヨハ演じる美人過ぎるウェイターのモリー、カールの息子のパーシー、批評家のラムジー。皆料理やレストランに対して真剣だから、意見が分かれたり叩き合ったり道が分かれたりしてもそれぞれを応援したくなる。最後にラムジーがマーティンを憧れだったと言ったのがとても印象的だった。もちろん出来すぎた話感は否めないけど。カールは結構プライドが高くて頑固なタイプだけど、周りの人にものすごく恵まれていて、それもシェフとしての腕と彼の人徳のなせる業なんだろうなと。マーティンとかモリーとか元妻のイネズとか…皆いい人すぎでしょ…っていうかクビになった直後に金に困るような低賃金で一流シェフを働かせてたオーナーはなんなんだ(笑)

 あとはアメリカ各地の特色のある料理をや文化をいろいろ見られるのもとても楽しい。やっぱりジャンキーだよね。チーズとかハムとかポップコーンとか…焼きたてのステーキおいしそう。