ただの映画日記

備忘録として映画の感想文を書いているだけ。

「ジュラシック・パークⅢ」感想

2022.08.14 

ジョー・ジョンストン監督/アメリカ/2001年

 

 3作目は1作目のグラント博士とサトラー博士が登場。グラント博士はまたもや研究資金に釣られて恐竜の島へ(笑)

 今回は恐竜のテーマパークをとか、商業利用を企んでいる組織が、とか大きな計画が動いているわけでもなく、グライダーの事故でソルナ島に不時着してしまった息子を探すために両親がグラント博士に助けを求め、ソルナ島に乗り込むというかなり個人的な規模の話。ストーリーとしては本当にこの3行に収まってしまうような単純なものなんだけど、2作目よりは恐竜の出番は多い印象。

 

 不時着した息子エリックの生存能力の高さよ。T-レックスすらうろつく無人島で2か月間、一人で生き延びるエリック、両親よりもよっぽど勇敢で賢い。両親はジュラシックパークあるあるのドジっ子担当。グラント博士の助手ビリーは好奇心旺盛すぎて恐竜の卵を持ち帰ろうとしてしまうけど、人間離れしたマッドサイエンティストではなくて良かった。プテラノドンに連れ去られるビリーを勇敢にも助けてくれました。そして最初にビリーが復元していたラプトルの喉の骨とコミュニケーション能力の話が最後ラプトルに囲まれるところで回収された。

 

 3作目はティラノのシーンがほとんどないのが残念ポイント。ジュラシックシリーズって出てくる恐竜の役割がわかりやすく決まっている。アパトサウルスは恐竜の美しさや壮大さを表し感動を呼び起こしてくれる存在、トリケラトプスは草食竜の荒々しさ担当、ラプトルは恐竜の頭脳担当、ティラノサウルスは恐怖の象徴でありながらもカッコいいヒーローみたいな役どころがあるんだけど、今回はティラノはスピノサウルスに倒されて終わり、みたいな。初めて観たときは最後にもう一回出てくるかなってずっと期待していたけど結局出てこなかったし。

 

 ジュラシックパークって1990年代から2000年代の映画の作風を象徴するような作品ですよね。最近に比べるとCG技術はまだまだだけど、出たばかりの技術を精一杯使って暴れてやろうという意気込みを感じるし、恐竜が暴れ回るシーンの盛り上がりのある音楽なんかが凄く誇張的。一方恐竜が出てこない落ち着いたシーンでは一切音楽が無かったりするのが最近の映画を観慣れていると物足りなさを感じるけど、そんなレトロな暗さが逆にスリリングで怖かったり。この辺の時代の映画って大体そういう感じ。でもハリーポッターはかなり音楽が充実している気がするけど。

 こういうレトロさが逆に良いっていうので今でもジュラシックパークが愛されてるし私も好きだけど、やっぱりこれに比べるとジュラシックワールドは観ごたえが違いますね。映像の美しさ、撮影地のバリエーション、場面転換やカメラワークの表現方法、音楽、ストーリーの規模と、どれをとってもバージョンアップしていて、時代の進みを感じるとともに美しい映像で再び恐竜を蘇らせ、さらにSFとしての魅力を引き立てられていることが続編としての意義を感じさせる。