ただの映画日記

備忘録として映画の感想文を書いているだけ。

「スパイダーマン / ノー・ウェイ・ホーム」感想

2022.01.07 TOHOシネマズ仙台 初回鑑賞

ジョン・ワッツ監督/アメリカ/2022年

 

 上手く纏められそうにないので、とりあえず点数をつけてみることにする。ズバリ100点満点で85点ぐらいだろうか。もちろん捉え方は人それぞれなので私の感じた15点分のマイナス要素がマイナスに感じなかった人も多いだろう。これに関しては予告でかなりの所までネタバラシをした上で制作側がハードルを上げまくってたことが原因として大きい。サム・ライミ版とアメスパのヴィランが集結してた時点で、歴代スパイディの集結も予想に容易かったから、内容の割に衝撃が少なかったのだ。もしなんの前情報もなく今作を観ていたら、何も考えずに120点を付けていただろう。

 

 歴代ヴィランの扱い方に関して、登場のさせ方に矛盾がなかった。それについては歴代スパイディたちも然りで、今作の最も良かった点の一つだと思う。もっと無理やりな感じになると思っていたので、ピーターの正体を知っている者という繋がりを使うのはナイスアイデアだった。まあストレンジ先生な時点で何でもアリにはなるのだが。

 それに加え、登場した全てのヴィランは不可抗力で力を手に入れ悪に傾いてしまった人たちで、その力を治療によって奪うことで善人に戻そうという作戦、各々をもとの世界に戻すとスパイダーマンに殺されてしまうという運命が可愛そうだというピーターの優しいが甘く、勇敢だが無鉄砲なところが、彼がまだ子供だということを十分に表現していた。

 歴代スパイディに関しては、まずアメスパくんの登場はとてもナチュラルだが期待に溢れ良かったと思う。どういう風に登場させるかなと公開前に色々妄想していたが、まさか二人立て続けにとは思わず、マグワイアスパイディはアメスパくん登場でもはや答えを言ってしまったようなものだったので少しあっさりと過ぎ去ってしまった感じがしてそこが残念だった。また、スパイダーマンズの共闘は、アクションシーンに関して3人を同時に画面に入れる尺をもう少し長く取ってほしかった気もする。どちらかというとコミカルなシーンがメインになっていた印象なので。(それはそれで良かったが。)

 また、アメスパくんがMJをキャッチするシーンも、予告でMJが落ちていくところで(あ、これはアメスパくんのリベンジシーンになるんだな・・・)と予想もついていたし、そうであってほしいと期待もしていたので、期待を裏切ることなくそのまま描いてくれてとても嬉しかった。

 とにかく私としてはスパイダーマンズの共闘アクションをメインで見たかったので、その他のやり取りが中心だったことが多少(本当に多少)残念ではあったが、それもまた「あなたの街のスパイダーマン」らしくて良かったのではないだろうか。

 

 正直に言うと私はMCUスパイダーマンシリーズについて決して寛容とは言えない。私は昔からサム・ライミ版の信者だ。しかしながら今作は、サム・ライミ版とアメスパへの愛が要所要所で感じられ、特にベンおじさんの名言「大いなる力には大いなる責任が伴う」や「”アメイジングスパイダーマン」を強調していたり、三人とも自分の行動を一端にして大切な人を亡くし復讐心を乗り越えて成長していくところがスパイダーマンシリーズのテーマとして纏まっていてとても良かった。エンディングは何このファンタビ展開・・・と思ってしまったが。

 とにかく今作は予告を観た時から自分の中でどんなシーンが登場するのかかなり妄想を膨らませていたので、期待通りだった場面、想像もしてなかった場面、予想がつきすぎて少し興ざめな場面と色々あり、その都度楽しめた。まさか3つのシリーズがキャストも同じくして合体する作品が観られるなんて思ってもみなかったので、実現してくれたこと自体に感謝してもしきれない。

 

 最後に付け加えておくと、前2作のアイアンマンのようにドクター・ストレンジが出しゃばりすぎてスパイダーマン映画ではなくなってしまうことを懸念していたが、それに関しては多少最後のほう彼メインだったのが遺憾だったものの全体としては歴代スパイディの印象が強くそこまで目立っていなかったので及第点ではないだろうか。そして完全な余談として、ドクターストレンジ公開のときからのことだが、ベネディクト・カンバーバッチはドクターストレンジをとても上手く演じているしはまり役でもあるけど、彼自身がMCUに合わないな、と未だに思っています。

 

 ワンダ・ビジョンのドラマが結構好きな私としては次作楽しみ。