ただの映画日記

備忘録として映画の感想文を書いているだけ。

「レ・ミゼラブル」感想

2022.03.28 初回鑑賞

トム・フーパー監督/イギリス/2012年

 

 地味に観たことがなかったのだが、たまたま実家に帰ったときに母が友人にDVDを借りていたらしく家にあったので良い機会だと思い鑑賞。

 

 原作のミュージカルを映画としてリメイクしたものだと思っていたのでもっとストーリー重視な感じかと思っていたら、かなりミュージカル寄りの映画だったので驚いた。ミュージカルの方は観たことがないが、かなりそれに忠実な内容になっているのかなと思った。

 

 とりあえずストーリーは抜きにして感想を述べれば、衣装や街並みなどの作り込みがとても良く時代感を表していて素晴らしかった。ストーリーを改変しない分、細かいところまで当時の歴史的な背景を再現していたので世界観に入り込みやすく、舞台演劇とは違った映画ならではの迫力が魅力的だった。特に最初の海岸のシーンは曲の入りも相まってインパクトがあった。

 一方で最も有名というべき民衆の歌のシーンは、もう少し脚色して描いても良かったのではないかと思った。夢やぶれては演出自体は地味だったが、歌自体がエモーショナルなのでそこに耳を傾けられたのは良かった。

 

 一方ストーリーに関して、これは本作の感想とは少し異なるが、思っていたより地味な話だった。私自身がレ・ミゼラブルをよく知らずフランス革命自体の話だと思っていたのだが、恐らくその周辺の話を描いたものだったのだろう。戦いの始まりのシーンはもっと血気に溢れ、派手なものだと思っていたが、そもそも規模自体が小さく、想定外だった。また、革命、主人公と警部との因縁、恋愛どれもが中途半端という感じがあり(尺の短さもあるが)、誰にも感情移入出来なかったのがストーリーとしては残念だ。舞台で見れば、そういう展開の唐突さはあまり気にならないのかもしれないが、映画にしてしまうと目立った。まあかなり昔の話だし、前時代的と言ってしまえばそれまで。