ただの映画日記

備忘録として映画の感想文を書いているだけ。

「スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース」感想

2023.06.20 初回鑑賞

ホアキンドス・サントス&ケンプ・パワーズジャスティン・トンプソン監督/アメリカ/2023年

 

 スパイダーマンのアニメシリーズ2作目ですね。うーん、アニメとしてはめちゃくちゃ上質だなと。でもストーリーが少し退屈だった(個人的に)。特に前半、ちょっとダラダラしてた。自分の評価としては、作画・演出・音響は最高でストーリーがイマイチという感じです。というのも、実写のシリーズが大衆向けのスパイダーマンだとしたらアニメは原作ファンやヲタク向けの内容なのかなと思ったから。もちろん既に誰でも楽しめるような実写作品が3シリーズもあるのだから今作はよりマニアックなファン向けに作ったっていうのは全然アリだと思う。アニメだと子供向けになりやすいところを、複雑な世界観やオシャレな画で大人にも楽しめるように作りこんであるような感じは凄く伝わってきて、何よりアクションのスピード感やカメラワークのカッコよさは凄く見ごたえがあった!

 ただ自分は原作の漫画なんて1作も読んだことがないしスパイダーマンの各シリーズを隅から隅まで舐めまわしているタイプのマニアではないので、こうも細かいネタをあちこちに散りばめられてもあまり理解できないし、むしろ大筋がとらえにくくなっている感じがして、そこがストーリーがパッとしないと感じた理由だと思う。しかも2時間半もやって完結しないし(笑)まあそれはいい。次回も楽しみにする。

 次々出てくるマルチバーススパイダーマンたちはエンドゲームの乱闘を思い出させた。もはやストーリーとか映像なんてどうでもよくて、「このかっこいいスパイダーマンたちを観てくれよ、スパイダーマンのコミックスってこんなにあるんだぜ!」っていうのを見せつけたかった映画のようにも思えた。まあ笑いどころが多かったのでよし。

 

 とにかくアクションが最高でした。前作もそうだったけど、スパイダーウェブで颯爽と宙を舞うスパイディたちと疾走感のある音楽が合わさって、自分もスパイダーマンになって一緒に飛んでいるような気分。アニメならではのCGよりもさらに大げさなアクションもあってカッコよかった。コマを持ってるスパイダーマン(名前忘れた)がかっこよかったです。あれ絶対人気でしょ。

 あとはアメコミチックな演出が終始オシャレで、製作チームのセンスの塊だった。色使いは全体的に淡いピンクや黄色が印象的で、グウェンに似合うような背景が多かったように思う。オープニングロゴからして拘っててカッコよすぎ。あとキャラクターを引用しているコミックが時々出てくるのもよかった。

 

 まあ内容はなんでもいいんだけど、スパイダーバースって要は、各世界のスパイダーマンたちが同じ「章」(=出来事)を経験していて、どこかの世界でイレギュラーが発生するとその世界ごと消えてしまうという秩序があるのかな。スパイダーマンに限らず、各世界の同じ人物同士は皆同じような人生を歩んでいて、でもスパイダーマンだけが他の世界を見たり行き来したりする能力があるからイレギュラーを制御したり逆に起こしたりできるってことなんだろうか。良くわからないけど、スパイダーマン中心に宇宙が回ってて草。

 

 総合的に見れば、前作のほうがだいぶ好き。ストーリーもわかりやすかったし、主要なキャラクターも絞られていてそれぞれキャラが立ってた。ヴィランもいいキャラだったし。あと音楽も前作のほうが好きだったかな。でもマーベルファンに今作のようなガチャガチャした作品が人気なのは分かる気がする。みんなインフィニティ・ウォーとかエンドゲームを観てきてるわけだし。マルチバースものとしては、今同時に公開しているフラッシュと内容が似通っていなくて良かったね。