ただの映画日記

備忘録として映画の感想文を書いているだけ。

「カオス・ウォーキング」感想

2021.11.19 TOHOシネマズ仙台 初回鑑賞

ダグ・リーマン監督/アメリカ/2021年

 

 トム・ホランドデイジー・リドリーマッツ・ミケルセンという話題の豪華キャストを集めた90年代の作風のSFという印象だった。宇宙船も相まってスターウォーズっぽかったし。

 地球外のとある惑星に植民地を作っていて、その惑星では男だけ自分の考えていることが他人に"ノイズ"として聞こえてしまうという現象が起きている、という背景設定はとても面白いと思う。しかしそれを生かしきれていない勿体なさの残る映画だと感じられた。

 植民地に女がいないのはその星の先住民に皆殺しにされたためという言い伝えは実は嘘で、男たちが殺してしまったのだというどんでん返しもストーリーとしては面白いが、それをネタバラシする過程が盛り上がりに欠けた。そしてせっかく登場させた先住民もそれ以降は話の隅に追いやられてしまったのが残念だった。最後の方共闘する場面などを期待していたので。

 また、人や馬を人工冬眠させて宇宙旅行する技術があるのに植民地開拓がやけに原始的だったりするSFのチグハグ感といい、"ノイズ"のVFXといい、80から90年台SF作品味があった。