ただの映画日記

備忘録として映画の感想文を書いているだけ。

「ミッション:インポッシブル / デッドレコニング」感想

2023.07.21 初回鑑賞

クリストファー・マッカリー監督/アメリカ/2023年

 

 いや~、激アツだったよ。最初から最後までトップスピードで、アクション満載で、中だるみすることもなく、スーパースリリングでクレイジーでオシャレで登場人物たちも魅力的で…観終わった後「あ~面白かった~」ってついつい口から出てしまいそうな熱量。

 

 初っ端の潜水艦のシーンからカメラワークと音響の迫力がすごくて、一気にM:Iの世界に没入できた。で、そのあとのイーサンがイルサを追って砂漠を行くシーン、ここも音がすごかった。砂嵐と銃声。音楽は無かったけど環境音だけで緊迫感を出しまくってた。

 ストーリーはとてもタイムリーなAIの話で、トムクルーズの体を張ったアクションだからこそ生身の人間 vs AIの構図が強調されていたように思う。潜水艦のステルス機能を担うAI、しかし暴走して発射したミサイルを自分の船で攻撃する。船から紛失したAIを制御する鍵は2つのパーツに分かれ、各国が手に入れようと探している。今回イーサンIMFに与えられたミッションは、2つの鍵を集めていち早く米国に届けること。なぜか鍵の片方を手に入れていたイルサから砂漠で鍵を受け取り、アブダビ空港でバイヤーに会おうとしたところで通りがかりのスリのグレースに鍵を掏られてしまう。グレースを追ってベネチアへ。このあたりから敵味方関係が複雑になっていって、鍵を追うのがIMFと武器商人のアラナ。外からイーサンを狙うアメリカの諜報員。AIは鍵をどの国にも手に入れさせないように自分のコントロール下にあるガブリエルや暗殺者のパリスを使いイーサンを追い詰め、アラナは鍵を2本とも手に入れてガブリエルに売りたい。

 ヴェネチアでのカーチェイスを終えて一同は招待制のクラブに集結するが、そこでガブリエルはAIがすべての成り行きを予測していると言い出す。鍵は翌日のオリエント急行の中で2本ともガブリエルの手に渡り、そのためにイルサかグレースどちらかが死ぬ。そしてAIの予知通り、イルサはグレースの代わりにガブリエルと戦って死ぬことになる。グレースはそのことを負い目に感じ、オリエント急行での作戦を手伝うことに。ここで遂に予告でさんざん宣伝していたトム・クルーズのバイクジャンプ。本人が飛んだからこそ飛んでいるシーンをあのアングルで映せたと思うと、本当に身を張ったアクションの偉大さが…っていうか怖いもの知らずよね。本人はやはり怖いものだとインタビューで言ってたらしいけど、いやいやいやいや…そして崖から落ちるオリエント急行の中でもうひとアクション。アクション三昧。

 

 ストーリーは極めてシリアスなんだけど、アクションがぶっ飛び度100パーセントコミカル系なのがミッションインポッシブルのこれまた面白いところ。まあM:Iに限らずアメリカのスパイ映画ってそういうの多いけど…ローマ市街地でのカーチェイスルパン三世を思い起こさせるフィアット500でのドタバタコメディで、手錠で繋がったイーサンとグレースのアホ度満点のドライブアクション。大真面目に発狂しながら追いかけるパリスとの温度差がまた笑いを誘う。こういったコミカルさが、2時間半複雑でスリリングなストーリーを追っていても疲れないポイントなんだろうな。

 

 ミッションインポッシブルのシリーズはそれぞれ1回ずつしか観たことなくて過去作を細々覚えているというわけではないんだけど、今回はイーサンだけじゃなくてIMFのチームで戦ってる感じが特に良かった。ルーサーとベンジー、そしてイルサ。っていうかイルサ、冒頭砂漠のシーンでイーサンに救われたのにあまりにもあっけない最期…もったいない…ルーサーは今のところ自分の利益と安全ばかり求めてるので、イルサに取って代わるのに不安要素がデカいけど、part2での活躍に期待。

 パリスとアラナのキャラ立ちもすごく良くて、場面ごとに華麗に衣装チェンジしていくのも良かった。パリスは最後ガブリエルを裏切ったことで絶対人気爆上がりしたな。

っていうかジェレミーレナーは出てこないの!!怪我があったからやっぱり撮影は厳しかったか…part2でサプライズ登場してくれよ頼むよ~~~