2022.03.27 TOHOシネマズ新宿 初回鑑賞
シアン・ヘダー監督/アメリカ/2022年
脚本、演出、音楽共に良く、とても上質な映画だった。聾唖者のいる家族4人の中で一人だけが健常者という新鮮な設定と、エミリア・ジョーンズに加え実際に耳の聞こえない3人の俳優が演じるリアルな演技にとても感情移入できたし感動した。
健常者の中で一人だけ障害があって生きにくい世界の逆を観た感じで本当に新鮮だった。家族の中でずっと通訳の役割をしてきた末娘のルビーと、ルビーに負担をかけているのを分かっていつつ彼女がいないとやっていけないと、ルビーを家に引き留め才能と夢を素直に応援できない家族。やっぱり一人だけ違うというのはどちらの場合でも難しい世界なのだと考えさせられた。
耳の聞こえない家族が娘の歌をどうやって感じているのか、コンサート中無音になったことで聾唖者の立場から、楽しそうに歌うルビーや周りの人たちの反応を感じ取り、ルビーの歌にみんなが感動していることが聴こえなくても伝わってきて、とてもいい演出だったと思った。最後の大学のオーディションで家族に向けて手話で伝いながら一生懸命歌うルビーの姿にとても胸が撃たれた。
また、最後に父が一言だけ声に出して"Go."と言ったことに、娘の旅立ちを全力で応援している様子が伝わってきてとても良かった。
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