「プロジェクト・ヘイル・メアリー」感想
2026.03.28 初回鑑賞
フィル・ロード監督/アメリカ/2026年
公開直後から評判良く、とても楽しみにしていました。結論、めちゃくちゃ良かったです。ライアン・ゴズリングはヴィジュアルもさることながら、本当に演技で魅せる俳優だなあと思います。ほとんどの場面が一人芝居なのに、すごく深みのある映像になるのは彼のオーラの賜物ですね。
本作、AmazonPrimeの制作ということで、要所要所にAmazon味を感じる部分がありました。宇宙のCGやVFXは派手で鮮やかでキラキラした感じ。宇宙船のやロッキーのデザインはとても良かったですね。あとロッキーが”個体Xe”で作り出す色々な物も。音楽は壮大なパートもあったけど軽めでオーケストラ演奏じゃないパートも多く、ワーナーじゃないな感。場面によって色々なテイストの音楽が使われていたのが面白かったです。 ラボで実験しているときの音楽のパーカッションの音が好きだった。映像とのリズム感もかなり合っていて聴いていて気持ちよく、映像内の音をFxとして音楽に取り入れているところが良かったです。
本作も約3時間と最近の映画あるあるの超長編だったのですが、途中で「さすがに長いな⋯」と感じなかった3時間映画は久しぶりかもしれない。登場人物が次から次へと出てくる訳でもなければ場面がコロコロ切り替わるわけでもないのに、観客を飽きさせない映画でした。多分宇宙にいる主人公と、宇宙に行く経緯となった過去の場面が交互に描かれていたことで比較的テンポが良く、「なぜこういう展開になったんだろう、そろそろ過去編が来ないかな」っていう期待感がずっとあったからではないかと思う。あとところどころにコミカルなシーンを挟んで軽めのパートと盛り上がりのパートにメリハリをつけていたのが良かったかなあ。こういう系の映画は少し切なかったりする終わりになることも多いけど、ハッピーエンドで締めてくれたのもスカッとして良かったです。最後の方割とトラブルの畳みかけで、やっぱり切ないエンドかなあと思っていたので。彼がロッキーの星に取り残されたのではなく、いつでも地球に帰れるという選択肢を持ちながらも今はまだロッキーの星に残る選択をしているからこそ、ハッピーエンドと言えるんだけどね。
グレイスと元カノ(?)の関係とかを無駄に深堀しなかったところも良かったなあ。結局その部分はちょっと良くわからない、で終わってしまったけど、この映画にラブシーンは不要でしたね。だってグレイスとロッキーの絆を主軸として描いているから。
あとは時間軸のスケール感が少し分かりにくかったかなあ。タウ星は地球から11光年ぐらいって言ってた気がするから、光速に近いスピードで進めば往復で30年ぐらい?なんとなく最後地球で30年も経った感じはなかったなあ。わざわざ宇宙飛行士たちを冬眠させて運んだのは食料を沢山運ばなくてもいいようにでしょうか。
太陽に感染して少しずつ太陽のエネルギーを奪う細胞が、同時に船の燃料になるって設定は何とも皮肉でもあり同時にリアルでもあるなあと思いました。人間は常に、何事もいかにして制御して使いこなせるかについて考えているからね。
「超かぐや姫!」感想
2026.02.20 初回鑑賞
山下清悟監督/日本/2026年
ネトフリでのおすすめに出てきて鑑賞。前情報一切なく見たんだけど、アニメヲタクと古のボカロヲタクに突き刺さる現代青春ドラマでした。はい。ワールドイズマイン歌うかぐやとヤチヨさん可愛すぎます。楽曲のアレンジも全体的に作曲者ご本人が担当されているということで…とても感慨深いです(←誰目線)
物語としてはとても現代的で、竜とそばかすの姫に少し似通った印象があるとも感じました。メタバース、Vtuber、タイムスリップ、竹取物語。鮮やかな映像とともに現実とメタバースと月と過去と未来を行き来して、スピード感のある展開が楽しめるところが良かったです。かぐやが一度月に戻って、時空を超えて戻ってくるところからは少し話が複雑で一度だと理解しきれなかった部分があるような…君の名は系ですね。丁寧なキャラクター設定と少し雑にも思える都合のいいハッピーエンド。要素が多くてカオスな感じ、良くも悪くも色々な意味で邦アニメ文化が詰め込まれた映画だなと感じました。
キャラデザも含め作画はすごく綺麗で好みでした!あと挿入歌。これは完全にニコ動時代のボカロリスナーを狙い撃ちに来てますよね。はい。私です。現代のVtuber文化に若干付いていけてない老人会の我々を、超令和な世界観に無理やり引きずり込んでくれました。そして最近色々忙しくて疲れている私はヤチヨさんの「それとも泣いちゃいそう?」に完全に堕とされました。バブー٩( ''ω'' )و
こういう気軽に見れるクオリティ高めのアニメ映画はすごく今時だしサブスク向きで、今後増えていきそうな予感がしますね。
「ウィキッド / 永遠の約束」感想
2026.03.06 初回鑑賞
ジョン・M・チュウ監督/アメリカ/2025年
本国から4か月遅れての公開となったウィキッド2作目、公開日早々劇場へ。原題は"Wicked ~For Good~" ということですが、「ウィキッド ~永遠に~」とかにするとスネイプ先生のセリフみたいになっちゃうからってことですかね。二人の魔女のメインとなるデュエットのテーマにもなっていたワードなのでそのまま持ってきてほしかったところですが…(笑)
まず、これだけのオーケストラを映画館で浴びれたこと。人生に感謝\(^o^)/ オーケストラやクラシック音楽なんてそうそう触れることのない昨今、映画による音楽体験は本当に貴重だと思うんです。しかも映画館という最高の音響設備で…冒頭のオープニングタイトルが出る部分の音楽が本当に壮大で、一気にミュージカルウィキッドの世界へ観客を連れ去る見事な演出でした。あとエンドロール中の音楽ね…長いエンドロールが一瞬に感じる一方しっかりと余韻に浸らせてくれる重厚なコーラスとオーケストラ。謎のpopアーティストの主題歌とかが使われてなくて良かったです。
最近映画を観るときに、音楽が空白のシーンっていうのに結構注目して観ることが多いんだけど、今作もグリンダがエルフィーと喧嘩して自分の部屋に戻った時に、その空白のシーンがありました。空白のシーンを作り出すには単に背後の音楽を消せばいいってわけじゃなくてその前後すべてのシーンでの音楽の使い方がものすごく重要なわけで…今作、非常に丁寧な繋ぎでほとんど映画全編で絶え間なく音楽が流れてました。グリンダのシーンの空白はかなりの強調になっていたと思う。音楽って作品の演出だったりキャラクターへの感情移入だったりを助ける役割があるから基本的には必要なものだけど、その合間に挟まる空白のシーンって感情全部を視聴者の想像に委ねられている気がして、突然キャラクターの呼吸と一体になったような感覚を得られるんですよね…深いね。
ストーリーの方はですね…恥ずかしながら1作目の話を細かくは覚えておらず、少々ついていけない部分もありました。あれ、そういえば動物たちはどうして捕まったんだっけとか。このおばさんとおじさんはどっち側の人だったっけとか。ミシェル・ヨーってエブエブの印象が強いけど、高貴な役もすごく似合いますね。あとから調べて知ったことなのですが、ウィキッドはオズの魔法使いの前日譚という位置づけのようですね。(オズの魔法使いすらミリしらの私…)オズの魔法使いはドロシーという本作にも少しだけ出てきた女の子が主役で西の魔女が悪役ということですが、本作は確かになぜ西の魔女にドロシーが立ち向かっていったのかって以前の背景的な話が描かれていますね。ウィキッドの主題として「見え方を変える」というのがあるようで、エルフィやフィエロのセリフでも何度も強調されていましたね。マレフィセント然り、最近のディズニーの流行りなのかもしれない。全体的にとにかくシリアスで、すべてのグリンダのシーンだけがコミカルで救い。
とはいえこのシリーズ、なんとなくストーリーのペース配分が上手くいっていないというか…1作目は学生時代とかをかなり丁寧に描き少し間延びした印象すらあったのに、2作目は展開が早く尚且つ場面場面が点々としている感じがあって、脳内であまり綺麗に繋がらなかったというか…エルファバが「善は罰を受ける」とダークな思想に陥っていく部分が少し突拍子のなさを感じたというか…
ミュージカルのシーンに関しては、1の方が出来が良かったかなあ。今作は結構演出してはCGが多めでキャストの動きが少なかった印象。楽曲もあまりキャッチーじゃなく転調が多くてメロディーが分かりにくかったりして、印象に残ったのは「ワンダフォ~」ってやつぐらいですかね(笑)1作目のdefying gravityとpopularが鬼良かったからなあ…でも1作目から引き継がれてるフレーズも結構あったような気がしますね。
「Stranger Things」感想
2025.10-2026-01
遂に完結しましたね~、ストレンジャーシングス…とても名残惜しいです。とはいえ私はめちゃくちゃコアなファンとかいうわけでもなんでもなく、流行りからはかなり乗り遅れて昨年シーズン5が出るという話があった少し前からようやく観始めた新参者です。そんな新参者の心もあっさりとさらって行ってしまう面白さでした。ホラー系のジャンルがかなり苦手なので、慣れないうちは半分目を瞑りながらの鑑賞になりましたが(笑)最終シーズンにもなるとデモゴルゴンやヴェクナの見た目にも慣れ、楽しく完走することができました。ひとまとめに感想を書くのが難しいなあ(笑)
子供たちが主人公という部分に(あと時代感的にも)初めはなんとなくスタンドバイミー感を感じていたのですが、彼らだけが主人公というわけでもなく、彼らの親だったりロビンやスティーブのようなティーンたち、ジム、マレー、イレヴンパパ、研究所の人たちなど…いろいろな人たちを巻き込んで、とても分厚い年齢層に焦点を当てていましたね。子供たちがホーキンスとupside downの災難に立ち向かいつつ、周りを動かすのはあくまで大人たちという構図が納得がいきやすく、規模の大きなストーリーを実現させていた。子供だけじゃそうはいかないものね。そしてそのサブキャラクターたちが本当にいい味のあるキャラクターばっかりだった!!個人的なお気に入りはロビンです。彼女のロジックとポジティブな性格はチーム全体を前進させる力があったし、全体的な雰囲気を明るくしていてよかった、あとアイスクリーム店のバイト時代の服超かわいい。
upside downと現実世界の繋がりはとても面白く、ライトや電波が同期しているというのが子供らしいミステリーを生み出していた。学校では弱い立場のヲタクの少年たちが知恵を絞り合い、事件に対していつでも解決策を見出していく姿は応援しちゃうし、勇気をもらえますよね。なんとなくハリーポッターと賢者の石で教授たちが石を隠すために仕掛けた罠にハリーロンハーマイオニーが立ち向かうシーンにも似通った部分があるなと思いました。
80年代の世界観、映画の中でしか馴染みがないのですが、音楽とかファッションとか車とかすごくいいよねえ。色とりどりなショッピングモールやTRPGのようなネットにつながらないゲーム。まだデジタル化してない時代の、直接的な人間関係や必要以上に大きなマシンや回りくどいやり方はなんかすごく味があるなと思う。
あとは音楽。シンセサイザーの印象的な音をメインにしたオープニングがとても80年代的。劇中の音楽と音響はもはや映画でしたね。尺的にも1話ずつ映画館で上映した方がいいのではないかというレベル。一方でドラマだからこそ中だるみをせずにゆっくり観れたというポイントもありますね。ただこうも長いと最初の頃のストーリーを後半になると忘れてくるという…(笑)
デモゴルゴンやヴェクナのCGはリアルすぎて結構怖かったです(笑)子供には少しきついんじゃないだろうか。エイリアンとかそっち系のキモさ。人間の悪役って結構ヴィジュアルかっこいいこと多いけど、非人間の悪役ってキモイよね。私はダースベイダーぐらいが好みですね…(笑)
なんか長いドラマの感想って纏まらないですね…(;'∀')また何か思い出したら書き足していこう。
「嵐が丘」感想
2026.02.28 初回鑑賞
エメラルド・フェネル監督/アメリカ/2026年
2026年初映画ということに気づきました!!?1月1本も観に行ってない!?マジか…とにかく年度末に向けて仕事が忙しいのです(-_-;)
ということでマーゴット・ロビー版嵐が丘、観て参りました。1847年に出版された小説が原作の映画ということで今まで何本も映画化されてきたらしいのですが、そんなことはいざ知らず…ロマンス系のジャンルは普段あまり観ないけど最近ピンと来る映画があまりなかったこととマーゴットロビー主演という言葉に惹かれて映画館へ。公開されたばかりということもあって、年齢層高めな客層で満席近かったです。やっぱり映画館映画はいいなあ。高いけど。ていうか明日3月1日で安いはずだから明日行けばよかった…まあいいのです。残業代で稼いでいるのだから、しっかり経済を回さなくては。
昔の小説ということもあって古風なロマンス、そして衣装や音楽も全体的に古典芸術的な印象があったのですが、ところどころに流れてくるポップスの影響で古臭さがなく古典と現代の融合が上手くいっている作品ではないかと思いました。ストーリーは禁じられた恋系のシンプルなやつだったのですが、狂気交じりでなぜかエマ・ストーンの「哀れなるものたち」を思い出しました。「嵐が丘」というリバプールの田舎の閉鎖的な空間で展開される狭い狭い世界での人間関係。孤児として一人の貴族に引き取られた男女が外の世界を知らずに恋に落ち、そして隣に別の貴族が引っ越してきたことによってその関係が崩れ、再び出会ったときにはお互い執着だけを残して別人になってしまっていたという…まあ現代社会ではありえないパティーンですね。主人公のキャサリンとヒースクリフだけでなく、召使のネリー、イザベラ、育ての父。みんながどこか狂っていて、そんな狂った人間たちによって作り出されるドロドロとした空間。熱烈で野蛮なのに美しく見えるのはマーゴットロビーのおかげでしょうか(笑)
ヒースクリフ役のジェイコブ・エロルディはティモシーシャラメがガタイ良くなったらこんな感じだろうかと鑑賞中ずっと思ってました。最初の召使時代と後半の金持ち時代で見た目があまりに代わりすぎて一瞬誰だか分らなかった。キャサリンは再開したときよく気づいたものです。
衣装も音楽も力が入っていて、特に数秒のシーンために何回衣装替えをしたのだろうというぐらいのドレスの数!中世のコルセットって本当に苦しそうだよなあ(゜_゜)あの時代の人には我が国が誇るユニクロのスウェットの感動を知ってほしい。
音楽は全体的に古風なオーケストラだったのですが、ところどころボーカル入りのポップスが流れていたのが特徴的でした。エモーショナルなトラックと機能的なトラックが上手く使い分けられていた印象。音響は全体的に奇妙で大げさで、そこがワーナーよりもなんとなくA24味を感じた。
以上です。次はウィキッド後編かなあ~~