ただの映画日記

備忘録として映画の感想文を書いているだけ。

「ジョーカー / フォリ・ア・ドゥ」感想

2024.10.14 初回鑑賞

トッド・フィリップス監督/アメリカ/2024年

 

 これは賛否両論分かれるのも理解できるなー。我々が期待したジョーカーではなかったけど、それが良い意味での期待外れだったのか悪い意味での期待外れだったのかは好みによるよねっていうところ。きっと前作のような大暴れこそがジョーカーだっていう人が多数派だと思うから、本国での興行も伸びなかったのかなと思う。

 

 個人的で正直な感想を述べるなら、1年とか前にレディーガガ演じるハーレークイーンが映った予告を観て、今度はあのホアキンジョーカーにガガのクイーンが加わって更なる狂気が観られるんだろうと楽しみにしていたので少し退屈してしまった部分はあった。前作の続編という位置づけではなく後日談っていう心持で観れば違ったかも。ヴィラン的なジョーカーはもういなくて、刑務所に入れられたアーサー・フレックが裁判にかけられて惨めに衰退していく様子だけがリアルに描かれている。世の中を壊してやろうというカリスマ的な熱意はすでに心の中にしかなく、脳内での妄想だけがガガとのミュージカルシーンとして描かれているだけ。なんというかな、全体的にジョーカーをテーマにしたガガ様の舞台、みたいな感じ。かといってハーレークイーンとジョーカーの関係について焦点を当てているわけでもなく、何を主軸にしたいのか少しわかりにくい。メッセージが分かりづらいというか、観客側に委ねられていたのかな。最後何でもない囚人仲間に殺されたアーサーがとても虚しくて、結局ほとんどのヴィランはどんなにカリスマでもヒーローにはなれないし華やかな最期を迎えることもできないってことなんですかね…

 

 全体的に地味な作品だからこそ、ホアキン・フェニックスの怪演が特に光る映画でもあった。なんとなくターのケイトブランシェットを思い出した。あんなジョーカーを演じられるなんて狂人変人だよ(褒めてる)。ガガのハーレークイーンはハーレーってよりリーって感じで、ガガ様って感じが強かったな。ピアノ弾いてるシーンなんかは完全にライブのガガ様だった。

 ミュージカルシーンの演出は90年代の雰囲気で揃えられていてクオリティが高かったけど今の若者たちにウケるかと言われるとどうだろう…

 

 関係ないんだけど予告で見たロードオブザリングのアニメ化映画がかなり楽しみです…