ただの映画日記

備忘録として映画の感想文を書いているだけ。

「ジュラシック・ワールド」感想

2022.07.27

コリン・トレボウロ監督/アメリカ/2015年

 

 ワールド3作目公開を控え、シリーズの復習もかねて鑑賞。ワールドの1作目は全シリーズ通して一番好きなので復習するまでもなく観まくってたけど、今回はかなり久しぶり。

 自分は決してジュラシック・パークのファンと言わけではないしこのシリーズも一番最初に観たのが2015年のジュラシック・ワールドだったので、後からパーク3作も観たもののワールドのほうが圧倒的に映像が綺麗だし主演二人のファンということもあるのでパークよりワールド派。そんな中でも1作目はストーリーの簡潔さと迫力、大人気観光施設となったイスラ・ヌブラル島の「ジュラシック・ワールド」のワクワク感があって、サスペンスやパニック的な要素が大きいながらも怖すぎず純粋に楽しめる作品だと思う。2015年に公開した時には、公開直後に映画館で観ようと思ってチケットを取ったものの夏休みだったこともあり席がほとんど埋まっていて最前列しか取れず、めちゃくちゃ迫力がありすぎて怖かったのを鮮明に憶えている。

 

 まずストーリーについていえば、話自体は非常に分かりやすいものの、兄弟やクレア、オーウェンのそれぞれのキャラクターがとても立っているので感情移入でき納得のいくストーリーになっている。特に初めは弟のグレイと島に行くことに乗り気ではなかったザックも、事件の中で弟をしっかり守り切り、グレイも波乱の体験を経て勇敢になり、二人の成長が見られるのがとても良い。またブライスダラスハワード演じるクレアは初めは経営を担当する仕事熱心なビジネスウーマンでいつも安全なところで働いており、売上を第一に考え恐竜を生き物ではなく商品だと考えているような節があった。しかしながらインドミナス・レックスに倒された恐竜たちの死に触れたり子供たちと危機を乗り越えることで大きく成長したキャラクターの一人だと思う。あとクレアの髪型めっちゃ好き。

 

 本作で何より素晴らしいのは圧倒的な映像美である。アニマトロニクスとCGの融合はアップのシーンでもダイナミックなシーンでも恐竜のリアルさを損なうことがなく、さらに原作のモデルとなった考古学者やアニマトロニクスのコーディネーター、植物のコーディネーターまでさまざまな専門家を揃え、オアフ島を本物の「ジュラシックワールド」に変えてしまう。様々な視点からリアリティを追求していて観客を少しの違和感もなく作品に入り込ませてしまう技術は圧巻である。

 トリケラトプスが歩くシーンで重石を落として砂を巻き上げたり観光用の乗り物ジャイロの外枠だけ作って下にタイヤをつけて撮影したりと、どこまでがCGでどこまでが実際に作られているのかが分からないが、それらを融合させることがよりリアルに見せる肝なのだろう。

 スピルバーグ監督は撮影時に実際の物が現場にあることにこだわりを持っているそうだ。後のVFX製作的にも、役者の演技のしやすさ的にもお金をかけて大掛かりなセットを作ることは大切なのかもしれない。まさかインドミナス・レックスまで頭部実物大のアニマトロニクスを作っていたと誰が予想できただろうか。お金の使い方がやべーよ。日本とは規模がちげーよ。

 

 あと驚いたことが、クレアがあのジャングルの中で一度もヒールを脱がなかったこと。最後の発煙筒を持ってTレックスの前を走るシーン大好きなんだけど、観る度によくヒールのままあんなに走れるな…と感動。というかクリスプラットもブライスダラスハワードも、もちろんスタントダブルがいるものの、かなりのところまで自分たちでスタントを撮っているみたいですね。