2022.05.04 初回鑑賞
細田守監督/日本/2010年
有名だ、皆が面白いと言っている、といった評判に完全に期待しすぎた。駄作だったわけではないが、単に期待値が高すぎただけ。先に竜とそばかすの姫を観ていたので普通だったらそばかすの姫を観た時にその感想を抱くのだろうが、冒頭からすでに「もはやほぼ同じ作品じゃん」と。おそらくみんな思ったのでは…?これはオマージュというより単にこれしかネタがないのかな…と言えるレベルで同じストーリー展開、同じ画面構成。
で、そばかすの姫の時と同じく脚本の粗さが非常に目立った。特に侘助の作ったAI。アメリカの研究機関で開発して暴走したそうだけど、それをたった一台のスパコンで健二と陣内家一同が止めようとしている間その研究機関は何してたのさ。たとえ健二が何十桁の暗算ができちゃう超能力者だったとしても専門家と何台ものスパコンのタッグが何もできなかったとは思えないけどな。あまりに現実離れしすぎていて素直に観られない。
しかもAIを止める手段として、AIが取り込んだ衛星制御のアカウントを取り返し、そのアカウントを用いて衛星の軌道を修正しなおすっていう作戦をとってたんだと思ったのに、アカウントを取り返した段階で勝手に終わったことにされてるし。
伏線を回収しきれていないとか、広げた風呂敷をたたみ切れていないとかそういうやつ。SFにするならサイエンティフィックな部分もちゃんと詰めないと。
まあ子供向けアニメではあることだし、小さな子供は細かいことは気にしないんだろうけど。でも全世代的に人気の作品なんでしょ?ちょっと期待外れだ…